第一章 第四節 ヨハネ伝概説20

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第 三 受肉者の決別 (十三章ー十七章)

⁋この五章よりなる決別の遺訓は、恰度マタイ伝における三章よりなる山上の垂訓と(五章ー七章)、明瞭な対照を示している。 彼にあっては「過去」のモーセと「現在」のイエスとが比較して語られ、神国を中心としての教が、旧約との対照において与えられている。これにおいては「現在」のイエスと「未来」の聖霊との時代が比較して語られ、教会を意図しつつ、聖霊こそイエスの教を完成し、その本質を明かにし、彼なきのち弟子らと共に在りて、その訓慰となり、その能力となり給う者なることが教えられている。前述せられた、聖餐の教が共観福音書 においてイエスの生涯の最後におかれているのに対し、本書においてはその教の前半とゆいうべき処におかれ、その位置が顛倒されているが、この場合にはこれと逆に、マタイ伝においてイエスの宣教の冒頭に置かれている「垂訓」に対して、本書にはその終にこの「遺訓」がおかれているわけである。
⁋この部分は、

「起きよ・いざここを去るべし」

という言を以て(十四章三十一節)、大きく二つに分けられている。上半は「洗足」による遺訓(十三章)・「訓慰」による遺訓 (十四章) よりなり、 後半は「約束」による遺訓(十五章ー十六章)・「禱告」による遺訓 (十七章) よりなっている。

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第一章福音書>第四節 ヨハネ伝概説20終わり、次は第四節 ヨハネ伝概説21

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