第二章 第二十節 ユダ書概説 4

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第三  不敬虔者に対する識別 (十七節以下)

⁋ここには終末時の現象の一つとして、「嘲(あざ)ける者」の起ることが記され、

「末の時に嘲ける者おこり、己が不敬虔なる欲に随いて歩まん」

といわれている(十八節)。これらの嘲ける者の中には、然し恩籠に引き返えすことのできる者がある。信仰者らは彼らを憐みを以て導かなければならない。

「また彼らの中なる疑う者をあわれみ、或る者を火より取り出して救」

わなければならない(二十二ー三節上半)。斯くして彼らは不敬虔なる者の審きに就て知らなければならないと共に、その中になお引き返えすことのできる者のあることを、鋭き識別を以て見守らなければならないと、教えられている。

⁋以上新約聖書中の第二区分「教会書」——と本書がよんでいる——なる二十二冊の書物が概観せられた。此らの書物は、ペンテコステの日に降臨し給える聖霊に由て、創設せられた幼き教会の具体的の「姿」を、諸種の方面から示していることがみられた。そこには最初同胞と共にエルサレムの神殿で礼拝していた「教会」が、徐々にその間から押し出され、如何になすべきかを知らず、ただ聖霊の指導に由て、未知の世界にその第一歩を踏み出した過程が描かれていた。
⁋此の過程に於て聖霊は、教会の誤謬を正し・その罪を審き・その迷蒙を開きつつ、その使命貫徹の道へと進ましめ給うた事が、そこに生き活きと記されていた。而((しか)して神の右に坐し給える栄光の主が、教会の悩の時には、そこに「立ち上り」給うて、之に能力を与え給う事が、示されていた。此らの書物を学ばせられた者の衷には、今更のように教法学者ガマリエルの言の真なることが、確信となって味われる(使徒行伝 五章三十四ー三十九節)。

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第二章 教会書>第二十節 ユダ書概説 4 終わり、次は第三章 預言書

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