第二章 第十節テサロニケ後書概説 4

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第三  再臨を俟望する者 (二章十三節以下)

⁋この部分は教会に対する直接的呼びかけに話題が転じられている。テサロニケ教会に対して

「されど主に愛せらるる兄弟よ、われら常に神に感謝せざるを得ず」

といい(二章十三節)、妄(みだら)なる再臨俟望者の在り方に対して厳しい警告を与えている。即ち或る人々は主の再臨近しとして働くことをせず、徒(いたずら)らに日を送り、その業務を怠っている。故に本書は

「兄弟よ、我らの主イエス・キリストの名によりて汝らに命ず。我等より受けし伝に従わずして妄(みだら)に歩む凡ての兄弟に遠ざかれ。…..我らは汝らの中にありて妄なる事をせず、価なしに人のパンを食せず、 反って汝らのうち一人をもわずらわさざらんために労と苦難とをもて、夜昼はたらけり。これは権利なき故にあらず、汝等をして我らに效(なら)わしめん為に、自ら模範となりたるなり」

という警告を与えている(三章六節)。「静かに業をなして己れのパンを食する」という事が信仰者の在り方であり、再臨待望者の在り方であると本書は語る。
⁋敍上のごとく、本書の中心は何処までも再臨に対する正しき俟望の在り方を教えるという点にある。本書はこの点を中心としてそれに関係した諸種のことを述べている。従って再臨に先行して必ず起るべき出来事を語り、それが起るまでは、各人が己が業をしずかになして、己がパンを食せという実践的の勧となっている。

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第二章 教会書>第十節テサロニケ後書概説 4 終わり、次は十一節 テモテ前書概説 1

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