第二章 第九節テサロニケ前書概説 3

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第一 患難への定め (一章二節―三章) 3

(2)定まれる患難の真相 (二章十三節―三章)

⁋ここにはテサロニケ教会の受けた迫害が

「兄弟よ、汝らはユダヤに於けるキリスト・イエスにある神の教会に效(なら)う者となれり。彼らのユダヤ人に苦しめられたる如く、汝らも己が国人に苦しめられたるなり」

と述べられている(二章十四節)。ユダヤ会堂を代表するユダヤ人のキリストの教会に対する嫉妬と抵抗とは、新約聖書においてみられるように宿命的ともいう事のできる事柄である。本書もこれを

「ユダヤ人は主イエスをも預言者をも殺し、我らを追い出し、我らが異邦人に語りて救を得させんとするを拒み、神を悦ばせず、且つ万民に逆らい、斯くして常に己が罪を充すなり。而して神の怒はかれらに臨みてその極みに至れり」

と述べている(同十五ー六節)。「常に」という言を用いて、教会に定まれる患難の真相を認識せしめている。しかしてパウロはこの患難に由てテサロニケ教会が動揺することを惧(おそ)れてテモテを送ったが (三章二節)、 彼らが思難のさなかに保ちつつある信仰と愛とに就て喜ばしき情報を得た事に就て

「汝等につきて我らの神の前によろこぶ大いなる喜悦のために如何なる感謝をか神に献ぐべき」

と、その感激を表明している。

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第二章 教会書>第九節テサロニケ前書概説 3 終わり、次は第九節テサロニケ前書概説 4

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