第二章 第七節 ピリピ書概説1

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⁋ピリピ書はピリピ教会の彼自身に対する好意を謝し、この教会の人々と共に、主の交に在ることの歓びを分ち、且ついよいよ福音の為に心を一つにして励むべきことを、使徒パウロが 「獄中」からこの教会に勧める為に書き送った書簡である(一章十二節以下)。
⁋パウロはその第二伝道旅行の途次使徒行伝によると(十六章六節以下)|——小アジアのフルギア及びガラテヤの地を経て、なおもビテニヤまで行こうとしたが「イエスの御霊許し給わ」ざりし為、遂にトロアスに到った。そこで「一人のマケドニヤ人」に幻において招かれた為、そこから船出して欧州の一角の港ネアポリスよりピリピに到った。これが彼の欧州における最初の伝道地であり、またここにこの「ピリピ教会」が建設された始である。この地の最初の改宗者は「テアテラの町の紫布の商人にして神を敬うルデアという女」であった。
⁋この書簡は新約聖書中の何れの書簡にも勝って、和やかな気分に充ちている書簡であり、筆者と宛て名教会との間に流れている気持の暖かさの示されている書簡である。パウロはこの中にピリピ教会を想う彼の愛情と思慕とを、極めて自由な気持で表現している。然しこの愛情と思慕とは単なる人間同士のそれとして述べられず、その根源にまで遡って語られ、パウロは

「我いかにキリスト・イエスの心をもて汝らすべてを恋い慕うか、その証をなし給う者は神なり」

といっている(一章八節)。

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第二章 教会書>第七節 ピリピ書概説 1 終わり、次は第七節 ピリピ書概説 2

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