第二章 第六節 エペソ書概説8

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第一 充す教会の選み (一章―二章)4

(2) 教会の選みの目的 (一章八節—十四節)

⁋さてこの教会の天的選みの目的は何かというと それはキリストにおける「万物帰一」ということである。それは

「神は我らに諸般の知恵と聡明(さとり)とを与えて、その恩恵(めぐみ)を充たしめ、御意の奥義を御意のままに示し給えり。即ち時満ちて経綸にしたがい、天に在るもの、地に在るものを悉くキリストに在りて一つに帰せしめ給う。是自ら定め給いし所なり」

と語られている(八―十節)。是は実に宇宙大の事柄であることに注意したい。キリスト教はいう迄もなく、個人の救に就て多く語る。然しキリスト教の関心が個人の魂の救に尽きると思うことは飛んでもない誤認である。否・個人の救拯は宇宙の救拯なくして完成せず、宇宙の救拯は個人の救拯を省みずしては成就しないというの が聖書の全体的主張というべきであろう。創造のロゴスとしてのキリストは対宇宙的存在なのである。ロゴス・キリストに「由て以て造られた」全被造物の救拯即宇宙的回復は、全被造物がこのロゴス・キリストに帰一するまで完成しないのである。全被造物がキリストに帰一する時とは、全被造物が宇宙形成原理ともいうべき宇宙の「全」を投映せしめられ、全が個を投映せしめられる時である。

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第二章 教会書>第六節 エペソ書概説 8 終わり、次は第六節 エペソ書概説 9

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