第二章 第六節 エペソ書概説1

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⁋エペソ書は「エペソに居る聖徒」に宛てて、パウロが教会の本質を教え、しかしてこれに適 (かな)った在り方の何たるかを示さんが為に、書き送った書簡である。エペソ・ピリピ・コロサイ・ピレモンの四書簡は、普通パウロの「獄中書簡」と称ばれている。この名はパウロ自身がこれらの書簡中に、現在自分が獄中に在ることを記しているところから起ったものである(エペソ三章一節・四章一節・六章二十節・ピリピ一章七節・十三節・コロサイ四章十八節・ピレモン十節・十三節)。然しパウロは使徒行伝の記載によると、カイザリヤの獄に「二年」いたし(二十三章二十三節・二十四章二十七節)、またロマの獄にも「二年」いた(二十八章十六節、三十節)。この何れの獄中においても彼は自由にその友を受ける事を許され、極めてゆるやかな状態におかれていた。従って此等の獄中書簡が、この二つの牢獄の何れから送られたものか、之を決定することはできないが、然し彼が「より落ちついた気分」に在り得たのは、ロマの獄中においてであったと思われるから、恐らくこれらの書簡は此処から送られたものであろうと想定されている。

⁋パウロがエペソを訪問したのは両度であって、第一回はプリスキラとアクラとを伴い、欧洲から此の地に到り、そこにこの両人を留めておいて自分は更にアンテオケに行った(使徒行伝十八章十九節以下)。 第二回は「東の地方を経て」この地に到り、二年強の間この地で伝道した (同十九章一節以下)。

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第二章 教会書>第六節 エペソ書概説 1 終わり、次は第六節 エペソ書概説2

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