第二章 第五節ガラテヤ書概説4

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説>第二章 教会書>第五節ガラテヤ書概説

第一 パウロの使徒的召命の実証 (一章六節―二章)2

⁋実にパウロの使徒的召命は「上から」であるが故に、人間的条件からは非連続的に来たものである(同十三節以下)。即ちパウロは神に召される前には、誰にも優ってユダヤ教に熱心であり誰にも劣らず忠誠なるユダヤ教徒として、之と異る教を伝える教会を迫害していた (使徒行伝 七章ー九章・ピリピ書三章六節参照)。即ち彼の側には何ら神の召命を受くべき準備も資格も無かったというのである。

⁋その彼が全く図らずも「異邦人に福音を宣べ伝える器」として召された。これは神の選の絶対に不可解なるを説明することに他ならない。それは正に

「われ汝を腹につくらざりし先に汝をしり、汝が胎をいでざりし先に汝を聖め、汝をたてて万国の預言者となせり」

と預言者エレミヤに語り給いし神の選に他ならない(エレミヤ記一章四節)。従って彼は之をひいて彼自身

「然れど母の胎を出でしより我を選び別ち、その恩恵をもて召し給える者、御子を我が内に顕(あら)わして、その福音を宣べ伝えしむるを可(よ)しとし給える時」

と述べている(同十五節以下)。それ故彼はこの垂直的な神からの召命に答えんがため、何ら血縁者と謀ることをせず、先輩使徒らに教を請うべく都エルサレムにも上らず、人なきアラビヤ沙漠に往つた。その後十四年を経てエルサレムに行ったのも、人の声に従ったのではなく、神の黙示があった為であった。

ーーーー

第二章 教会書>第五節ガラテヤ書概説 4 終わり、次は第五節ガラテヤ書概説 5

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説第二章 教会書>第五節ガラテヤ書概説説 

 
 

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう