第二章 第四節 コリント後書概説9

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第二 牧者パウロの施与要請 (八章ー九章) 1

⁋本書の中間に二章を費して教会における施済(ほどこし)に関する忠告が述べられている。 パウロは教会の寄附に就ては他では余り言及していない。従ってこれは彼の書簡全体で注目すべき特異な位置をもつものである。先ずパウロはマケドニヤの 諸教会が吝(おし) みなくした実例を賞揚して、 コリント教会も亦之に做って、その愛の真実を示すべきことを奨める。
⁋パウロは

「されば我らはテトスが前にこの慈恵(めぐみ)のことを汝らの中に始めたれば、又これを成就せんことを勧めたり。汝等もろもろの事、すなわち信仰に・言に・知識に・凡てのはげみに、また我らに対する愛に富めるごとく、この慈恵に富むべし。我かくいうは汝らに命ずるにあらず、ただ他の人のはげみによりて、汝らの愛の真実を試みん為なり」

といい(八章六節 以下)、ここには特に牧者としての心ずかいと、教会的熱情とをこめた口調を以て語ってい る。パウロは今・この施済(ほどこし)を「慈恵(めぐみ)」と称んでいることに注目したい。彼はこの慈恵という用語を選むことによって、以下にこの物質的めぐみから広義の福音的めぐみえの移行を企てているからである。

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第二章 教会書>第四節 コリント後書概説 9 終わり、次は第四節 コリント後書概説 10

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