ホーム>渡辺・岡村著書>新約聖書各巻概説>第二章 教会書>第三節 コリント前書概説
第二 教会の秩序 (十一章ー十五章) 4
(3) 復活の秩序 (十五章) 1
⁋本書の頂点をなすのがこの復活の秩序である。教会の秩序に就て種々述べられてきたが、教会の秩序の源は復活の秩序である。抑(そもそ)も宇宙の目的である「キリストにおける万物帰一」という事が具現するのは、この教会の首(かしら)なるキリストの復活を通してだからである。復活の秩序は即ち万物帰一の秩序なのである。
「もし死人の復活なくば、キリストもまた甦えり給わざりしならん。もしキリスト甦えり給わざりしならば、我らの宣教も空しく、汝らの信仰もまた空しからん」
と述べられている(同十四節)。 教会の信仰と生活の一切の充実完成はこの復活にあり、この復活のみが人間をその絶望的虚無感から救うのである。
「凡ての人、アダムに由りて死ぬるごとく、凡ての人、キリストに由りて生くべし。しかして各人その順序に従う」
といわれ、その順序は
「まず初穂なるキリスト、次はその来り給うときキリストに属する者なり。次には終きたらん、その時キリストは、もろもろの権能・権威・権力を亡ぼして国を父なる神に付し給うべし」
と記され、その目的は「これ神は万の物において万の事となり給わん為なり」と結論されている(同二十二節以下)。
ーーーー
第二章 教会書>第三節 コリント前書概説16 終わり、次は第三節 コリント前書概説17
ホーム>渡辺・岡村著書>新約聖書各巻概説>第二章 教会書>第三節 コリント前書概説