第二章 第三節 コリント前書概説14

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説>第二章 教会書>第三節 コリント前書概説

第二 教会の秩序 (十一章ー十五章) 3

(2)賜物の秩序(十二章ー十四章) 2

(b) 愛の優越性 (十三章)

⁋「なんじら優れたる賜物を慕へ、しかして我さらに善き道を示さん」

という言を以て、この「愛の頌(かたち)」は紹介されている(十二章三十一節)。本書はこの「世の知恵」を代表するとも云うべきコリントの人々に向って、教会を支配すべき「神の知恵」の質的対立性を提示したが、この「愛の頌」は、愛の賜としての絶対的優越性を宣べると共に「愛なき智」の虚無なることを暴露している。この「頌」は三つに分けてみることができる。第一は 愛の不可欠性である(一ー三節)。 それは

「たとい我もろもろの国人の言および御使の言を語る とも、愛なくば鳴る鐘や響く鐃鈸(にょうはち)の如し」

という言及び

「愛なくば救うるに足らず」・「愛なくば我に益なし」

という言を以て表現されている。 第二は愛の不侵害性である(四ー七節)。それは

「愛は寛容にして慈悲あり、愛は妬(ねた)まず、愛は誇らず、驕(おご)らず、非礼を行わず己の利を求めず、憤らず、人の悪を念(おも)わず」

という如き言を以て表現されている。第三は愛の不廃滅性である(八―十三節)。それは

「愛は長久(いつ)までも絶ゆることなし………げに信仰と希望と愛とこの三つの者は限りなく存らん、しかして其のうち最も大いなるは愛なり」

という言を以て表現されている。然も

「今われらは鏡をもて見るごとく見るところ朧(おぼろ)なり。然れどかの時(再臨)には顔を対(あわ)せて相見ん」

と記し、愛も亦、かの再臨する復活のキリストを指し示すものである事に注目せしめている。

ーーーー

第二章 教会書>第三節 コリント前書概説14 終わり、次は第三節 コリント前書概説15

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説第二章 教会書第三節 コリント前書概説

 
 

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう