第二章 第三節 コリント前書概説13

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第二 教会の秩序 (十一章ー十五章) 2

(2)賜物の秩序(十二章ー十四章) 1

⁋この部分では霊の賜物にみられる教会の秩序を次の三点 から述べている。

(a)賜物の多様性 (十二章)  

⁋教会に働く聖霊は唯一で在(いま)す。即ち、教会の最も基本的な信仰告白である「イエスは主なり」という事も、聖霊の導きなくば語り得ぬ如く、教会の一切の営みの支配者は一つ聖霊である。然し御霊は唯一でありながらその導きは多様である。御霊は同じであるが、それが与える賜物は多様である。同じ一つ御霊が或人には知恵・或人には医(いや)し・或人には信仰・或人には異言を釈(と)く能(ちから)を賜う。然し

「凡て此等のことは同じ一つの御霊の活動 (はたらき)にして、御霊その心に随(したが)いて各人に分け与えたまうなり」

と述べられている (十二章四節以下)。同一のキリストを首とする教会は一体であって然も多様である。
⁋換言すれば、教会の構造は一にして多・多即一なのである。或は「多様性における統一」こそ教会の秩序なのである。斯くの如き秩序をもつ有機体に紛争・分裂が有るべきではない。この有機体においては

「もし一つの肢(えだ・てあし)苦しまば、もろもろの肢ともに苦しみ、一つの肢尊(とうと)まれなば、もろもろの肢ともに喜ぶ」べきである。「乃(すなわ) ち汝らはキリストの体にして各自その肢なり。神は第一に使徒・第二に預言者・第三に教師・その次に異能(ちから) ある業・次に病を医す賜物・補助をなす者・治むる者・異言などを教会に置きたまえり」

とは、「多様性における統一」ともいうべき教会の賜物の秩序の具体的分析である。然し彼は進んで「さらに善き道」は愛の賜物であると告げる。

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第二章 教会書>第三節 コリント前書概説13 終わり、次は第三節 コリント前書概説14

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