第二章 第二節 ロマ 書 概 説04

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緒 言 (一章一節ー十七節)

⁋この部分においてはこの書の発信者パウロと受信者なるロマ教会との橋渡しが試みられている。然もそれは「特定の位置」からの橋渡しである。即ち「キリスト・イエスの福音」における両者の位置ずけがそこに与えられている。それは次の

「我は福音を恥とせず、この福音はユダヤ人を始めギリシヤ人にも、凡て信ずる者に救を得さする神の力なればなり」

という言、及び

「我はギリシヤ人にも夷人(えびす)にも智き者にも愚かなる者にも負債(おいめ)あり」

という言に明示されている(一章十六節及十四節)。 前者の「神の恩寵」としての福音はパウロとロマ教会とを結びつける「上から」の契機であり、 後者の対万民的「負債」は両者を結びつける「下から」の契機である。神の恩寵たる福音は万民を救うものであり、且つ

「割礼なき者に対する福音を委ねられたる」

により(ガラテヤ書二章七節)、パウロは万民に対して負債(おいめ)をもつのである。「この故に我はロマに在る汝らにも福音を宣べ伝えんことを頻りに願うなり」と、彼はこの聖なる委託を果さんが為、本書執筆の直接の動機を叙べている(同十五節)。

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