第二章 第一節 使徒行伝概説 31

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第三 異邦人・キリスト教会の発展 (十三章ー十八章)4

(1) 教会宣教の対異邦人的転向 (十三章ー二十二章二十九節)4

⁋これに次いでエルサレム会議の記事があげられている。この会議の焦点は「割礼問題」であった(十五章一節以下)。即ちパウロとバルナバの異邦人宣教が行われるようになると共に、異邦人の改宗者が徐々に多くなり、その行く先々の宣教地に教会が設立せられるようになった。また宣教の母胎たるアンテオケ教会においても、その会員はいう迄もなく大部分は異邦人であった。その結果これらの異邦人に、一と度びユダヤ教の割礼を受けさせないでよいか否かという問題が発生したのであった。即ちそれは

「異邦人にも割礼を施し、モーセの律法を守ることを命ぜざるべからず」

というユダヤ的キリスト者の「割礼論」と、パウロ及びバルナバによって 代表された「割礼無用論」との対立であった。これこそ実に、今や幼き教会が分裂せんかわれた大問題であった。この会議がいわゆる「第一回教会々議」で、ここに斯くの如き紛糾の発生せる時における教会の在り方とその処理の仕方とが示されている。第一にこの会議は教会内に「大いなる紛争と議論と起り」得るものであることを示している(十五章二節)。 しかして. それが何ら教会の教会たることの反証ではないという事を示している。

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第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 31 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 32

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