第二章 第一節 使徒行伝概説 29

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第三 異邦人・キリスト教会の発展 (十三章ー十八章)2

(1) 教会宣教の対異邦人的転向 (十三章ー二十二章二十九節)2

⁋さてこの後半の中心的指導者であり、特に教会の異邦人伝道の為選まれた器であるパウロは然し、彼がこの活動の舞台に登場するまでには、神の見えざる指導があって、着々と準備せられていた。しかしてこの見えざる導きは、見える人物の手を媒介として行われてきた。彼は先ず青年サウロとして証言者ステパノの石殺される時、初めてその名が記されている(七章五十八節)。次いで彼はエルサレム教会の迫害者として現われ(八章一ー三節)、 更に彼はキリスト信者を迫害せん為スリアのダマスコまで遠征したが、突如ダマスコ郊外で天来の光に打たれ、そこで一大回心を味った(九章一ー九節)。この時彼の為遣わされたのがダマスコの一平信徒アナニアという者であった(九章十節以下)。斯くて彼は数日ダマスコに留ったが、ユダヤ人に殺されんとしたので、僅かにこの難を逃れ出て(九章二十三節以下)、エルサレムに到った。そこの信者らはかってのサウロを知っていた為、この回心したパウロを信じなかったが、バルナバのみは彼を認め、パウロは難を逃れて一と先ずその故郷タルソに還って行った。他方迫害によって散らされた者共の宣教により、スリアのオロンテス河に沿ったアンテオケに福音が伝えられた事が、エルサレムの教会に伝えられたので、そこからバルナバはタルソに赴き、パウロを伴ってアンテオに帰り、そこで共に宣教に当った(十一章二十二節以下)。処がその時に大飢饉があったので、その為の寄附を彼ら両人は携えてエルサレムに登った。

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