第二章 第一節 使徒行伝概説 25

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第二 ユダヤ・キリスト教会の形成 (三章ー十二章)10

(1) 建てられたる教会(三章一八章三節) 10

⁋このステパノの証言の結果、彼は石殺され、そこに教会に対する大迫害が展開した。然し今正に石殺されんとする時の在り様が、

「ステパノは聖霊にて満ち、天に目を注ぎ、神の栄光およびイエスの神の右に立ちたまうを見ていう。視よ・われ天開けて人の子の、神の右に立ち給うを見る」

と記されている (五十六節)。前述せし如く、ここには、 新約聖書の何処にもその例をみない言が記されている。即ち他には「神の右に坐し給う」と記されてあるに拘らず、ここに は、神の右に坐し給うキリストが「立ち給う」と記されている事である。これこそ、教会を生みし「教会の首(かしら)」なる神の独子イエスが、その地上の体なる教会の大迫害に際して、その座から「立ち上り給うた」というのである。教会と教会の首なるキリストの「一体性」がここに証しせられている。教会の首なるキリストに対しては、教会に対する逆いは即ち主御自身に対する逆いであり、聖霊に対する逆いは即ちキリストに対する逆いである。これは、聖霊に逆う代との対決において、教会は断じて「独り」であるのではないということの証言である。

⁋この大迫害の結果は然し、既述した如く、エルサレム外に宣教する事を躊躇していたェルサレム教会が、ユダヤ・サマリヤの地方に已むを得ず散らされたことを述べ、そこに人間の悪意を逆用し・変容して、その聖旨遂行の為に役立たせ給う神が仰がれている。

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第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 25 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 26

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