第二章 第一節 使徒行伝概説 20

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第二 ユダヤ・キリスト教会の形成 (三章ー十二章)5

(1) 建てられたる教会(三章一八章三節) 5

⁋この叙述によって示されている第一の点は・彼らは人を怖れなかったという事である。旧約書を貫いて描かれた信仰的人物の特徴も凡て「神を畏れる」ということであり、「神を畏れる」という事は必ずその反面「人を怖れない」という在り方として表わされている。族長ヨセフの生涯、ダニエルのそれ等において特にそれは顕著である。何時の時代にも極めて少数ではあるが、教会は神を畏れるが故に、世の人気を気にかけず、この世の権力者の前に断じて臆することなき人々をその教会形成者として与えられてきた。然し吾人はここにもう一度この「人を怖れなかったペテロ」が、以前には如何なる人物であったかを想起する必要がある。彼こそは人を怖れて、その主イエスを三度び拒んだベテロである。然ればその「人を怖れるペテロ」を「人を怖れないペテロ」と為し給いし者は何であったか。それは他でもない、復活の主の証言者として彼を立たせ給いし聖霊であった。
⁋第二に・人々は彼らが「イエスと共にあった事を認」めたという事である。教会の肢(てあし)たる証人の本質として、これ以上完璧な定義を見出す事はむずかしい。キリストの証とは、彼が人間として偉大なるにせよ、矮少なるにせよ、智者であるにせよ、愚者であるにせよ、彼において 「イエス・キリストが世にある者」として指し示されているという一事に尽きる。

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第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 20 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 21

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