第二章 第一節 使徒行伝概説 19

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説>第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説

第二 ユダヤ・キリスト教会の形成 (三章ー十二章)4

(1) 建てられたる教会(三章一八章三節) 4

⁋教会はこの奇跡を、この跛者なる「世」に行うのである。即ち教会は「世」をして、その一つ一つの問題を、 自分自身で解決させるという、 根本的にして始源的の能力を与えるのである。「世」が自己の殻に包蔵している矛盾に由て生み出す問題に由て、 自己崩壊に至らざる先に、それを解決させる「源泉的能力」を与えることを以て、教会はその使命とするということが、この物語全体によって暗示されている。従ってこの奇跡にをどろいて集ってきた民衆に対して、「イエスによる信仰は汝等もろもろの前にて斯かる全癒を得させたり」といい、その「 全き癒し」である点を力説している(三章十六節)。
⁋この神殿の門の奇跡とペテロの説教とが契機となって、「曲れる代」の代表者とも云うべき祭司・宮守頭及び復活の否定をその主張の一つとしたサドカイ人らの教会に対する反抗と迫害とが激化している(四章一節以下)。この反抗の序奏として本書は教会の代表者等に対して重大な言及をしている。 それは

「彼ら(曲れる代の代表者ら)はペテロとヨハネとの臆することなきを 見、その無学の凡人(ただびと)なるを知りたれば、これを怪しみ、且つそのイエスと共にありし事を認む。また医されたる人のこれとともに立つを見るによりて、更に言い消す辞(ことば) なし」

という言である(四章十三節以下)。

ーーーー

第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 19 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 20

ホーム渡辺・岡村著書新約聖書各巻概説第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説

 
 

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう