第二章 第一節 使徒行伝概説 17

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第二 ユダヤ・キリスト教会の形成 (三章ー十二章)2

(1) 建てられたる教会(三章一八章三節) 2

⁋この奇跡は、教会が創設されて最初のものである。この奇跡の物語は、その位置と長さとその影響せし処からみて、特殊の意味を以て叙べられているものと思われる。即ちこれによって教会は具体的にその能力を、如何に現わすかということが、ここに示されている。この物語において、第一に注意せられることは、この跛者(あしなえ)が「生れながらの跛者」であったということである。即ち彼は生れおちた時から自分で「立った」ことがなかったし、従って自分で立ち得るようになるということを考えたことはなかったらしい。そこで彼が宮の門で人々に求めたのは、その日その日の食であった。これは恰度教会がその中におかれている「世」そのものの象徴的の姿である。この「世」は「曲れる代」であって、自分で立つことが出来ないから、不断に施しを求めなければならない。茲でこの跛者なる「世」に対して、二つの助け方のあることが考えられる。一は・彼を立たせて、その日から、物乞いをしなくてもよいように してやることである。他は・彼が今求めている、一食分乃至二食分の福を与えることである。然るにこの宮の門を通る人は、前者を与えることはできないから、後者のみを与えていた。従って彼は毎日ここに坐して、日々物乞いをしなければならなかった。

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第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 17 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 18

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