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第一 教会の起源 (一章三節―二章四十七節)6
(2)教会時代の創始 (二章)4
⁋第四に・創設された教会の本質はどうであったろうか。それは教会に加えられる条件の叙述において(二章三十七ー四十七節)、窺(うかが)うことが出来る。その一は・その説教をきいた者が「心を刺された」ということである。ペテロの説教を聞いた人々については、
「人々これを聞きて心を刺され、ペテロと他の使徒たちとにいう、兄弟たちよ・我ら何をなすべきか」
と記している(二章三十七節以下)。その二は・彼らが「悔改めた」ということである。イエスの宣教の第一声は
「神の国は近ずけり。汝ら悔改めて福音を信ぜよ」
という言であった。然しイエスが、神の国の福音を宣べ、神の国の入国の条件が人間の「悔改め」にあることを説き給った結果、人々はこのイエスを十字架につけた。 それが福音書の証言である。 それは人々の衷なる罪に根ざしている 「我執」の為であり、この「我執」が彼らをしてどうしても悔改めることを得ざらしめた為であった。然るに今や降臨なし給える聖霊は、 人々をして「悔改」めることを得させたのである。斯くして教会の絶対的条件たるべき「悔改」が、教会創設に当って、具体的に示されたのである。
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第二章 教会書>第一節 使徒行伝概説 14 終わり、次は第一節 使徒行伝概説 15
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