第一章 第三節 ルカ伝概説11

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第二 神国キリストの要請 (四章ー十六章)4

⁋これに引き続いて叙されている「中風の者の癒し」(同十七節以下)、「取税人レビの服従」(同 二十七節以下)、「罪ある女の香油(七章丗六節以下)、「ガリラヤ人の犠牲にせられし記事」(十三章一節以下)、「一匹の失せたる羊」及「失せたる銀貨一枚」 (十五章三節以下)、「放蕩息子の喩え」( 十五章十一節以下)、及び「富める人とラザロ」の話等において(十六章十九節以下)、特に本書の「悔改め」の強調が貫かれている。このうちの多くの記事はルカ伝特有のものである事が注意さるべきである。香油をイエスの御足に注いだ女の記事は、他の福音中にも見られるが、それぞれの叙述はその強調点を異にして居る。ルカ伝の強調点は明瞭に「悔改め」 におかれてる。この女の行為は特にイエスによって、

「これ故に我なんばに告ぐ、この女の多くの罪は赦されたり。その愛すること大いなればなり」

といわれ、その愛することの根拠は

「赦さるる事の少なき者は、その愛す事もまた少なし」

と述べられ、負債感に比例して、赦しと救の祝福の大きい事が述べられている。それは恰度大釈放の年には、大きな負債をもつ人程、その年の祝福を多く味わされると同じ理由である。神の国キリストは、この大釈放の告知者なるが故に、 彼に対して負債感の深い者ほど、彼から与えられる祝福は大きいのである。

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第一章福音書>第三節 ルカ伝概説11終わり、次は第三節 ルカ伝概説12

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