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第四 権能者イエスの拒否 十四章十節—十六章二十節)1
⁋神の権能の地上的顕現者がイエスであるといわれた。しかして神の権能とは、人間的可能性の限界の暴露せられる処から顕われるものであった。前項においてはこの
「人には能わねど、 神には然らず、夫れ神は凡ての事をなし得るなり」(十章二十七節)
ということが、 各個人の問題を場所として語られてきた。然るにこの「人の不可能において、神の可能が現われる」ということが、今この最後の項においては、イエスの十字架において、初めて理解せられることになるということが、明かになってくる。否・この事は、十字架において「のみ」知り得られることである。しかして反対に、この事は十字架によらずしては、絶対に知り得られないということが、この部分において示されている。それは実にペテロによって代表的に現わされている。
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