第三章 第七節 ナホム書・ハバクク書・ゼパニア書概説3

ホーム渡辺・岡村著書舊約聖書概説>第三章>第七節 ナホム書・ハバクク書・ゼパニア書概説

ナホム書3

第二 神の正義の実証――現前のニネベ陷落

⁋此の部分は(二章三節ー三章十九節)、「ニネベの包囲」・「ニネベの罪悪」・「ニネベの陥落」の三部 からなっている。

(1) ニネベの包囲

⁋此の部分に於ける(二章三一十三節)此の都攻撃の状態は、実に力ずよい言を以て描写せられている。

「その勇士は楯を紅にし、その軍兵は紅に身を甲(よろ)ふ、その行伍(そなへ)を立つる時には、戦車の鉄きらめきて火のごとし、槍またひらめきふるふ、戦車ちまたに狂ひ走り・大路に推(おし)あふ・其の形状火姫(たいまつ)のごとく・其の疾(と)く馳(は)すること雷光の如し」

とは、その攻撃の状態であり(二章三ー四節)、

その官女は胸を打ちて鶴のごとく啼」き、その白銀・黄金・宝物は一切掠奪せられる(同 四、七、九節)。実に「此のこと定まれり」である。

(2) ニネベの罪悪

⁋此の部分は(三章一ー七節) ニネベの罪悪の總締高(そうじめだか)を述べ、

「禍なるかな血を流す邑、その中には全くいつはりおよび暴行(あらきわぎ)充ち、掠め取ること息(いき)まず」

とは(三章一節)、その宣言である。神は之に対して「視よ我なんぢに臨む」と宣い、「誰か汝のために哀(なげ)かんや」と之を嘲笑なし給う。

(3) ニネベの陥落

⁋此處には(三章八—十九節)ニネベの強さをノアモン即ち埃及のテーベスと比較し、後者がアッスリヤに依て亡ばされしごとく、前者も亦その包囲者によって陷し入れられるであろうと宣言してい る(三章八節)。その時ニネベの

「重臣は群蝗(むれいなご)のごとく・その軍長は蝗の群のごと」

く、飛び去ってその在る處を知る者さえなくなり、その「民は山々に散らさる・之をあつむる者なし」とは、そのニネベの最後の有様である。かくナホム書の預言は、不義者に対する神の怒を叙述し、横暴者の滅亡を宣言し、そこに神の正義の歴史的証明を歌っている。

ーーーー

舊約聖書概説>第三章>第七節 ナホム書・ハバクク書・ゼパニア書概説3、終わり、次は第七節 ナホム書・ハバクク書・ゼパニア書概説4

ホーム渡辺・岡村著書舊約聖書概説>第三章>第七節 ナホム書・ハバクク書・ゼパニア書概説

 

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう