第二章 第三節 箴言概説7

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第五 横から観た知恵 1

⁋智者は主として「知恵」の教を、一般社会と云う地中に立って民衆殊に青少年に教えた。従って 箴言には、斯く観られた知恵が最も多く語られている。

(1) 個人と知恵

⁋先ずユダヤ人は個人個人が知恵によって自己を確立しなければならない。

「エホバはすべての物をおのおのその用のために造り」

給うたことを知って(十六章四節)、自己の使命を自覚しなければならない。然し斯く造られた自己は、同時に自己の日常の內面生活によって造られて行く自己である。

「そはその心に思ふごとくその人となりも亦しかればなり」

と云う事を深く考える必要がある(二十三章七節)。従って斯く日常無自覚の間に造りつつある自己は、神によって試みられる事により自己に 知らしめられる事となる(十七章三節、二十七章二十一節)。個人の生活の一切の指導は神によるものである。

「人の心には多くの計画あり、されど唯だエホバの旨のみ立つべし」(二十章二十一節)。

故に人はただその人生行路を急ぐのみでなく(十九章二節)、心を静かにして哲人となり(十七章二七節)、恒に哲言を聴く事を努めなければならないし、然もそれは徒らに遠隔の地に於て求めるのでなく、その面の前にあるものと知らなければならない(十七章二四節)。斯くして彼は自己の運命が全く神の聖手に在り、

「なんぢ明日のことを誇るなかれ、そは一日の生ずるところの如何なるを知らざればなり」

と知るべきである (二十七章一節)。

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