第一章 第十一節 「歷代志略概說 」1

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(序)1/3
⁋歴代志略・エズラ書・ネヘミヤ記の三歴史書は一連をなし、ヨシュア記・士師記・サムエル書・ 列王紀略を以て一連をなす歴史書に、その修史の精神の異なる事に於て相対している。前者に就ては既に列王紀略の項に述べた如くである。後者はイスラエルが異邦人の手によって亡ぼされたのはエホバ礼拝に於て、正しき祭儀(祭祇)を以て之を行わなかった為である事を痛感し、神殿中心的立場に更に加うるに祭儀中心の精神を以てし、此の立場から選民の歴史を編纂したものである。其処に述べられているのは、原人アダムより、選民王国の滅亡を経て、バビロンよりの帰還及び祭司エズラと平信徒ネヘミヤに依る石垣修築と、律法書の公布迄の歴史である。従ってイスラエルの全歴史が其処に含まれているわけで、エズラ・ネヘミヤ両書の含む歴史は、列王紀に含まれていない時代のそれである。歴代志略の特徴としては、先ずその文学的特徴で、その中に多くの參考書を用いた事が 示されている事である。即ち全部で二十種類の參考書名が挙げられている (上九章一節、二十三章二十七 節、甘七章二十四節、二十九章二十九節、下九章二十九節、十二章十五節、十三章二十二節、十六章十一節、二十章三十四節、二十四章二十七節、二十五章二十六節、三十二章三十二節、三十三章十八節、三十三章十九節、三十五章二十五節)。此の事は列王紀に於ても、新約聖書のルカ伝に於ても、観られることではあるが( 一章一ー三節)、本書の如く多数のものを挙げている書物は聖書中他に類例を見ない。

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