第一章 第十節 「列王紀略概說」2

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⁋本書の特徴は、先ず第一に・その記述の仕方に於て現われている。その書名が示す如く、王とその治世を全体の枠とし、分裂時代に於ては南北の王を比較しつつ、その時代に於ける諸種の出來事を記述している。その特徴は第二に・王各々に対するその統治と神に対する態度に対する鋭い批判と、その規準とである。ソロモンがエルサレムに神殿を建設して以後は、各王は唯だ一に此の神殿に於けるエホバ礼拝に忠誠であるべきで、此の忠誠を保た者が嘉賞(かしょう)せられ、然らざるものが譴責(けんせき)せられている。その特徴は第三に・その歴史に対する素材が不平均な事である。或る場合には一つの事が極めて豐富な材料を以て記述せられ、他の場合には極めて重大な出來事が僅か一、二の文章を以て片附けられている。 前者の例は預言者エリヤの物語で(上十七章ー下二章)、後者の例は大宗教改革を敢行したヨシア王の戦死の物語である(下二十三章二十六節—三十節)。

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