第一章 第三節 「レビ記 概說」3

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(4) 罪祭(四章)・此の供え物の材料は献げる人の階級によって、子牛・牡山羊・牝羊をそれぞれの力に応じて献げる事を許され、非常に貧しく「もし仔羊(こひつじ)にまで手の届かざる時は山鳩二羽か雛鳩(ひなばと)二羽」にする事も許されて居た。此の供え物の意義は直接に罪に関係するもので、字義通り罪の贖(あがない)の為の供え物である。随って燔祭と同様に此の供え物は、献ぐる者の全存在に関するものであるから、燔祭に於ても此の供え物に於ても、献ぐる者はその象徴として、その供え物の上に「手を按(お)くべし」と規定せられて居る(一章四節、四章四節)。(5) 愆(けん)祭 (五章一節〜六章七節)・罪祭が神に関する罪で、その意味に於て、本質的にして内面的なるに関して、 此の供え物は人に関する罪で、具体的にして表面的なる罪に関する供え物という事が出来る。勿論罪にして神に関する罪でないものは絶対にあり得ない。しかし、同じく神に対する罪と云う中に、律法的に見れば、内面的な罪で直接的に隣人に対する愆(とが)と云えないものと、神に対する罪である事は勿論だが、その現れが対人的の愆(あやまち)である罪とがある(新約マタイ傳六章十二節、十四節)。是に対する供え物が此の愆祭である。是等の供え物には、人間の手の業による植物性のものと、然(さ)らざる動物性のものとがある。後者が供え物として重要なもので、その生命の座なる「血」の故に「贖い」をなし得るのである(十七章十一節)。以上の五種の供え物は、更にその献げ方に就て細かき規定を必要とするので、その指示が此の部分の終に記されて居る(六章八節〜七章三十八節)。

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